プロポリスは自然の特別な産物です
プロポリスは自然の特別な産物です。動植物相の間で、共同して作り上げられた結果の産物です。プロポリスはミツバチによって作られます。ミツバチは、花粉や花蜜のような多数のシンプルな原材料から、ロイヤルゼリー、プロポリス、ハチミツのような複雑な物質を作り出すことができます。
これは環境の影響や微生物から身を守るために、何世紀にもわたって発展してきた植物のシステムです。ですから植物は、樹脂を分泌して湿気から身を守り、その抗菌作用で微生物の侵入からも守られます。
このような特別な生物活性と抗菌作用を有する蝋状の樹脂から、ミツバチはプロポリスを合成します。プロポリスを集めるミツバチが飛来する植物は、ヨーロッパ圏では主にポプラ、シラカバ、ハンノキ、マロニエ、ヤナギであり、トウヒ、マツ、モミ、カラマツのような針葉樹もまれにみられます。
通常はかなり少数のミツバチで、比較的年長の収集役のミツバチが、このプロポリス収穫という大変な作業を行います。そのためミツバチは蕾や葉、木の皮から粘々した植物性樹脂を大顎で齧り取り、それを大顎の分泌液と混ぜます。ミツバチはそれを脚に付着した花粉にしてミツバチの巣に運びます。巣のミツバチはワックスと酵素βグルコシダーゼを分泌して混ぜ合わせ、ミツバチの巣を補強します 。
樹脂に含まれる幾つかの植物成分は、プロポリス収穫時に構造的に変化していると考えられます。この種の転換は、おそらくミツバチの唾液に含まれる酵素によるものです。植物では大部分のフラボノイドが配糖体の形をしていますが、プロポリスのフェノール化合物は主にアグリコンです。化学組成は基本的に収穫地の植生とその土地の気候条件に依存しますが、ハチの巣で担う機能は世界中で同じです。
なぜミツバチはプロポリスを作るのでしょうか?
プロポリスはミツバチの巣の構成や修復、隙間を塞ぎ壁を滑らかにするために適しています。さらに抗菌、抗ウイルス、殺真菌作用があり、巣を細菌やウイルス、真菌類から守ります。こうしてプロポリスは、非常に狭い空間に約37℃の気温と約90%の湿度で共生し、5万匹以上にもなるミツバチが共同生活を行い生存するための基盤なのです。この状況には、そもそも病原菌の増加に理想的な条件が揃っています。それにもかかわらず、ミツバチの巣の内部は、プロポリスのおかげで手術室と同じように無菌です。専門家はプロポリスをミツバチの外部の免疫システムとも呼んでいます
というのも、ミツバチは体内に病原菌に対する免疫機能を持たないからです。プロポリスの助けで、ミツバチは5千万年以上前から地球上で生き残ることができています。
ミツバチは女王バチが産卵する前に、蜂房の内部の壁を、薄いプロポリスの層で覆い、幼虫を微生物の襲撃から守ります。敵や獲物が殺されて巣から排除されないでいる場合は、プロポリスで包み込まれて、いわば防腐処理がなされています 。
プロポリスを人間のために
プロポリスは古代から人間のために使用されています
プロポリスは古代から人間に使用されています。エジプト人、ギリシャ人、ローマ人はプロポリスを様々な病気に内服薬として用い、皮膚の傷を治すために外用でも使用しました。エジプトでは死者をプロポリスでミイラにして腐敗から守りました。ギリシャ人はミツバチの飼育を開発し、アリストテレスとヒポクラテスは、プロポリスの処方で潰瘍を治し、内服や外用で使用して様々な症状を緩和しました。ローマ人もプロポリスに魅了されました。プリニウスはこの成分にプロポリスという名前を与えました。プロ=前で、ポリス=町、群れ。プロポリスはミツバチが巣を防衛するために使用しました。
アラビアの文化も、蜂産物の特別な性質を認め、コーランの様々な韻文で伝えています。1900年頃のボーア戦争で、プロポリスは傷の治療に使用されました。バルカンの国々では、プロポリスが最も頻繁に使われる薬のひとつです.
今日プロポリスは伝統医療や代替療法に使用され、様々な調剤があります。健康意識の高まりとともに、近年ではプロポリスへの関心が明らかに強まりました。プロポリスはまったく自然で効果の高い治療薬であり、その効果は多数の研究で証明されています。
プロポリスが最も多用されているのは、風邪と皮膚病です。このような純粋に医療での使用の他に、プロポリスは今日、化粧品として、また「健康食品」や「機能食品」の分野で栄養補助食品としても使われています。
プロポリスは生物学的に有用な様々な内容成分を含むため、「広域抗生物質」とも呼ばれます。300種類以上の活性分子は、相乗効果で病原菌の成長を抑制し、耐性を生じさせることはありません。プロポリスは天然に由来しますので、副作用のリスクもほとんどありません。
それにもかかわらず、プロポリスの使用には注意が必要です。それはアレルギーの可能性があるからで、場合によっては接触皮膚炎のような、過敏症状が生じるかもしれません。